仕事をしていると、ちょくちょく人を説得/交渉しなければならないシーンが出てくるものです。
危険な作業になるが、やらなければならない仕事。
休暇中だが、やらなければならない仕事。
そんなの断ればいいじゃん、と簡単に言うのは、一部の恵まれた職場にいる、頭がお花畑のパッパラパーの戯言。
お前それサバンナでも同じこと言えんの?と言いたくなりますね。
誰だって休みの日や危険な仕事がしたくないのは同じこと。
でも、誰かがやらなければいけない業務は、残念ながら存在します。
(少なくとも、ブラック企業では)
そんな、イヤーな仕事を引き受けてもらう為に、どう説得するか?
古今東西、皆さん悩んでいるようです。
今日はそんな偉人たちの思想を紹介したいと思います。
アリストテレス
ご存じ、古代ギリシャの哲学者。
西洋最大の哲学者との称されるお方が唱えたのは此方。
- エートス(話し手の人柄)
- パトス(聞き手の人柄)
- ロゴス(内容の論理性)
このうち、重要度の高さは上から順番になります。
つまり、エートス、話し手の人柄が一番重要度が高く、ロゴス、内容の論理性が一番重要度が低いことになります。
西洋最大の哲学者でさえ、人を説得するのは正論ではなく、感情が大事と言っているのは、ちょっと衝撃でした。
何を言うかが大事ではなく、誰が言うかが大事。
まぁ、そりゃそうですよね。
平日は定時上がり。土日祝日はしっかり休む上司に、
「ああ君、今週土曜、休日出勤してね」
と言われても、は?お前がやれや、と思いますが。
平日も夜遅くまで働き、なんなら土日祝日も働いている上司に
「すまないが、今週の土曜日だけ、助けてくれないか」
と言われたら、まぁ引き受けますよね。
むしろ、土日休んですみません。と恐縮してしまうぐらい。
韓非子
中国の思想家の一人、韓非子は以下のように述べています。
・凡そ説の難きは、吾れこれを知れて以てこれに説くこと有るの難きに非ざるなり。
・凡そ説の難きは、説く所の心を知りて、吾が説を以てこれに当つべきに在り。
超個人的に翻訳すると、
・正解を知り、それを説明することは難しくない。
・難しいのは、相手の心情に合わせて説得することである。
といったところ。
正論を説くことは簡単だが、相手を納得させるのは難しいよね、って言ってます。
なお、此方の韓非子さん。
同僚に讒言されて君主の不興を買い、最期は獄中死してしまいます。
正しいことを言ってただけなのに、牢屋に入れられ、殺されてしまうとは...
正論も大事ですが、人に嫌われないようにするのは、もっと大事ということを身をもって教えてくれる韓非子さん。
そういうとこ、嫌いじゃないぜ...
終わりに
休日に仕事を引き受けるのも嫌ですが、休日に人に仕事を頼むのも嫌なもの。
連休前、「GWやお盆休みが楽しみだー」、と言っている人を見ると、ちょっと代わってくれない?と思ってしまう...
我ながら、狭量な人間です。
連休中、皆楽しんでいる間、携帯を常に持たされ。
旅行中もいつでも対応できるよう、パソコンも持たされる。
ゴルフ中(接待ゴルフ)に電話がかかってきて、
「すみません。ちょっと待って貰えないでしょうか。直ぐかけなおします」
片手に携帯、片手にアイアン持ちながらそんなこと話していると、
「あれ?俺の人生どこで間違った?」
そんなことを思ったり思わなかったり。
いえ、悪いのは、土日祝日に仕事をさせる会社なんですけどね。
うーむ...ブラックな働き方。
早く仕事辞めたいというか、早くこの働き方を変えたいものです。