営業という職業柄、顧客からのクレームを受ける事ははほぼ逃れられない運命にあります。
勿論、理不尽なクレームも中にはありますが、お言葉ごもっとも、な内容も多々あります。
良くある事例としては、導入したシステムが数年後突如不具合を起こし動かなくなる、と言うようなものですかね?
当然その間は稼働できず、緊急的に予備のシステムに切り替えて凌いでいただくか、予備も同時に駄目になったら、一時的に業務ストップ。
1日稼働ストップする毎に、お客様側にかなりな損害が発生しますので、当たり前ですがクレームになります。
そこで、一刻も早く復旧させなければならないのですが…偶にこんな事も起きます。
顧客:お宅のシステムが急に動かなくなった!今は予備のシステムで動かしてるが、仕事に支障をきたしている。一刻も早く復旧させてくれ。
私:不具合発生。症状は〇〇で〇〇。至急対応してください。
担当者:今忙しくて手が空いていないので、時間稼ぎをしてくれ。
はー?と思いつつも、なんとかのらりくらりで時間を稼ぐ。その後
担当者:すぐ対応できると思ったが、工数が取れない。もう少し時間を稼いでくれ。
はー?と思いつつも、またもや平謝りで時間を稼ぐ。そして
担当者:検討した結果、この問題に対応できない。以上。
え?うちの製品なのに、修理できないって、お前それサバンナでも同じこと言えんの?
十数年前の製品ならともかく、数年前に導入したばかりのものなのに、もう保守終了って、それもしかしてギャグで言ってる?
いや、そもそもできないじゃねーよ。やれよ。
この状況で直せません、と言う選択肢はねーよ。信用問題になるわ。
信用問題以前に訴訟問題に発展するわ。
そんなことを言いたくなる瞬間です。
勿論、言おうものなら、精神的に苦痛を受けた、とか言われて逆に此方が叱責されますがね。
コンプライアンス全盛期、社内での言動は常に気をつけなければなりません。
いや、精神的苦痛を味わっているのは主に私とお客さんですがね!?
まぁ同時並行で上司を経由して裏から働きかけて、対応させますけど…
こんな感じの、非常にストレスが溜まるイベントが、月に一回ぐらいのペースで発生するんですよね。
よく、営業が勝手に無茶な納期で受注してきた、と開発が嘆く話をネットで見ます。
一方で、逆に開発が無茶苦茶なこと言って困った、というパターンはあまり見ないんですが、どうなんですかね?
「製品のクレーム受けて、耐えるのが営業の仕事でしょ?」
と、まるで他人事の様に突き放す開発がいることも、事実…
完璧なシステムなんてありませんし、想定外のバグが起きる事は勿論あるでしょう。
しかし、お前が作っておいて、「対応出来ないので後は営業さんでなんとかして」はないでしょうよ。
まぁ営業がどうとか、開発がどうとかではなく。
無茶な仕様、納期で受けてきて後はぶん投げする、極悪非道な営業もいれば。
適当に仕事をして、問題あっても俺は知らんよ、という無責任開発もいる。
そういう事なんでしょうね。
更に言えば、営業は、経営層からの厳しいノルマを課せられて、無茶なノルマを受けざるを得なくなり。
開発は、経営層からの無茶なコストダウンにより、人材が不足して十分なリソースがないことが原因だったりもします。
では、そんな経営陣が悪い!と思いきや、彼らは彼らで株主達からもっと効率的にやれと責められて。
仕方なく無理な売上アップやコストダウンを強いられている…
あれ?そう考えると、自分達の利益しか考えていない投資家達が諸悪の根源では?
もっと売り上げを上げろ!と会社に要求しているのは、株主である私達投資家…?
もっとコストダウンしろ!と会社に要求しているのも、株主である私達投資家…?
会社の利益を従業員に還元するのではなく、配当金として吐き出せと要求しているのは他ならぬ株主である私達投資家…?
はは!どうやら自分で自分の首を絞めていたようです。
自業自得とはこの事ですね。
それに気づかずに、開発や経営陣に文句を言ってる自分が滑稽この上ない。
まるで喜劇。恥ずかしいったらありゃしません。
いやぁ、仕事って楽しいなぁ!