勉強はできない、運動もできない。
泣きながら家に帰り、ドラえもーん!と泣きつき、未来の道具に頼っては失敗する典型的な駄目キャラクターとして描かれています。
実際には、劇場版などで見せるその頼もしさや優しさから、将来ヒロインと結ばれ幸せになりますが...
それは、昭和の話。
令和となった今、ブーストがかけられた劇場版のび太君でなくとも、普通に人気者になれるポテンシャルを彼は持っているのです!
射撃の名手
ご存じの方も多いと思いますが、のび太君は射撃の名手。
その技術を使って、数々の世界を救ってきた才能の持ち主なのです。
昭和の時代であれば、射撃の天才であってもそれを生かす環境がありませんでした。
しかし、令和となった今、彼の才能を思う存分発揮する場が存在するのです!
それは、ズバリeスポーツの「FPS」!
操作するキャラクター本人の視点でゲーム中の世界・空間を移動し、銃などを用いて戦うことを特徴とする。「一人称視点シューティングゲーム」
まさに、のび太君の才能を存分に発揮できるジャンルだと思います。
eスポーツが盛んなアメリカでは、このFPSの大会優勝賞金が一億円を超えることもあるそうな。
射撃の天才であるのび太君なら、優勝も狙えるでしょう。
つまり、かれは若年にして億り人になれる可能性を秘めている存在なのです!
プロゲーマーはモテる
そして、金銭面だけではありません。
どの分野でもそうですが、プロは基本的に異性にもてます。
女性からキャーキャー言われる人気者になれます。
プロでも顔がイケメンじゃないとダメだって?
のんのんのん!
勿論、顔がいいことに越したことはありませんが、多少不細工でも大丈夫。
一定数の女は、才能ある男に惹かれるものです。
更にそこに経済力も備われば、もう無敵。
モデル、アイドル、女優と、より取り見取り。
気に入った子がいれば、DM送れば一発でOK。
トッププレーヤともなれば、下手なアイドルよりもよっぽどモテるのです。
幸せになれるとは限らない
調子に乗ったのび太君は、しずかちゃんという最愛の彼女がありながら、モデルやアイドル達と浮気しまくりの淫蕩の日々を送ることに。
しかし...そんな酒池肉林の生活を送っていると、破滅は近づいてきます。
FPSといったeスポーツは、反射神経や動体視力がものをいう世界。
ただでさえ年を取れば厳しくなっていくのに、毎晩酒を飲み、いつしか努力を怠ったのび太君では、段々と勝てなくなっていきます。
しかし、僕は天才なんだ!と自惚れているのび太君には、現実が見えていない。
態度を改めることなく、自堕落な生活を続けていくことに。
そして...とうとう令和4年の2月、破滅の時が...
なかなか勝てなくなったのび太君が、憂さ晴らしに動画プラットフォームでライブ配信を開催。
レッドブル片手にファンと交流していた時。
その時、つい「170cm以上の女に人権ないから」と暴言を発してしまったのです!
堕ちた天才
参加者が少人数と、ほぼ身内配信だったことによる気のゆるみ。
また、ゲームの世界では、人権がないという言葉は結構カジュアルに使われていること。例えば、
「そのレベルじゃまだこのゲームで人権ないわー」
みたいな感じで、未熟なプレイヤーをディスる時に使われるそうな。
そもそもこの発言は背景がありまして。
このライブ配信中に、Uber Eatsの配達員が食事を運んできたんですよ。
しかし、のび太くんに一目惚れした配達員は、配達を終えた後に再訪。
アイスの持ってきたんで、一緒に食べましょう!と、のび太君に接触を試みたのです。
知らない人間に、自分の住所という個人情報を知られ、言い寄られる恐怖と嫌悪感。
偶々そのUberの配達員が高身長だったことから、その人に対して発した言葉だったのですが...
そういった事情を知らない人間達が、切り抜かれた一部の発言だけをベースにのび太君を一斉攻撃し、大炎上に発展。
責任を取る形でチームから解雇され、大会にも出れなくなってしまうとんでもない事態になってしまいました。
転落の日々
一夜にしてすべてを失ったのび太君。
今までのこともあり、愛想が尽きたしずかちゃんは、静かに去り。
あれ程寄ってきたモデルたちも、潮を引くように消えていった。
当初は強がっていたのび太君でしたが、ふと気づけば、周りに誰もいない...
ただの無職になったことに気づいたのび太君は、慌てて昔のようにドラえもんに助けを求めるのです。
「どらえもーん!みんなが僕のことをいじめるんだー!」と。
しかし、実はドラえもんとは、幼い頃の彼のイマジナリーフレンド。
助けを呼ぶ彼に答えてくれる存在は、どこにももういない。
収入がなくなり、徐々になくなっていく貯金...
苦労して築いてきたキャリアも一瞬で失い、無職の日々...
仕事、恋人、金、全てをなくした彼は、ふと呟くのです。
「分かってくれとは言わないが、そんなに、俺が悪いのか?」
そして今日も又、レッドブルを片手に、幼いころ使っていた机の前で、ドラえもんが助けに現れてくれるのを待ち続けるのだった...
終わりに
驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し…
成功している時ほど、油断は禁物ですね。
まぁ、失敗したからと言ってそれで人生が終わるわけではありません。
それを教訓に、またやり直せば始めればいいだけ。
元々才能があるのですから、きっと復活できることでしょう。
そもそも、何にも成功していない私には、一度でも成功したというだけで羨ましい話。
嗚呼...例え炎上してもいいから、一回ぐらいは成功したいものです。