【海運業】日本郵船の株が暴騰した理由を解説してみる【バブル?】


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日本郵船のHPから出典

 

ここ最近の海運会社の株価上昇は凄いですね…

 

海運大手3社である日本郵船商船三井川崎汽船を始め、各社好決算を出しており、まさにこの世の春。

 

海運業界のリーディングカンパニーである日本郵船の年初からの株価の値動きを見ると以下の通り。

 

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yahooファイナンスから

 

トリプルバガー達成しているじゃないですか...

 

海運会社にあらずんば企業に非ず。

そんな声が聞こえてきそうな状態です。

 

今日は、何故海運会社の株価がここまで上昇しているのか?超個人的見解を述べるとともに、海運株を今からでも購入すべきかどうかの私見を書いてみました。

 

どうぞ、参考にしてみてください。

 

 

海運バブル崩壊からの回復 

まず、海運業界のこれまで20年間のトレンドを説明すると、2003年から2007年にかけて、中国の高度経済成長による資源需要の急増から、海運輸送の需要が高まりました。

 

しかし、国際航海船の数が不足し、結果傭船料(いわゆる運賃)が爆上げしました。

 

年度により波はあったものの、運賃の上昇が続き、海運各社は軒並み好決算。

儲かって仕方がない時期が到来しました。

 

しかし、好事魔多し。これを見た資本家が、投機目的で海運業界に参入。

イメージとしては、不動産投資のような感じで船を持ち始めました。

 

このように、日本郵船をはじめとした海運会社ではなく、投資家たちが船を建造発注することで、新造船の大量竣工が発生。

 

あまりにも船を作りすぎたせいで、需要と供給のバランスが逆転。

2012年ごろから、船余りが深刻となり、傭船料がガタ落ちする事態に陥りました。

(勿論、2008年のリーマンショックの影響も超大きかった)

 

投機目的で船を建造した投資家たちは早々に損切りをして船を売船し海運業から撤退。

後に残ったのは、需要をはるかに超える大量の船舶のみ...

 

大型船など、簡単にスクラップできるものでもありませんので、ここから時間をかけて海運業界全体で新造船の発注を絞り、老朽船のスクラップを徐々に進めることで船舶量の調整をしてきました。

 

そして、2017年ぐらいからようやく需給のバランスが取れ始めたことで、傭船料も回復。

今回の決算につながってきました。

 

環境規制の強化

また、脱炭素化の波は船舶にも波及してきており、特に燃費規制はかなり厳しくなってきています。

 

そのうちの一つとして、二酸化炭素の排出規制であるエネルギー効率設計指標(EEDI)のフェーズ3が2025年に導入される見込みであり、さらなる規制強化が将来的に控えています。

 

これを見て、投機目的の企業群は新造船の発注を様子見。

結果として2008年ごろに起きた投機家たちの新造船新規大量発注は現時点では発生しておらず、運賃の値崩れは発生していません。

 

厳しい環境規制が結果として新規参入の妨げとなり、需要に対して供給が少なくなり、結果運賃が高騰した、と言えますね。

 

その他コロナの影響等

そのほかの要因としては、

・巣ごもり需要による消費増大。

 ・中国の旺盛な鉄鋼需要

・コロナによる入国規制や検疫強化のため、入港を待たされる滞船の増加。

等がかみ合って、運賃のさらなる上昇につながり、海運企業の決算が好調になった、という感じかと。

 

今後の予想

一言でいえば分かりません。

本業が海運業である日本郵船をはじめとした企業群は、過去の苦い思い出から運賃が高いといえど、新規船舶建造発注には慎重になるでしょう。 

 

問題は、投機目的で新造発注する投資家たち。

 

環境規制も何れは目途が立ち、その時運賃が高止まりしていれば、また過去同様に投機筋が新造発注に動く可能性はあります。

 

そうなれば、また船舶の過剰供給により、運賃の値崩れが起きることは簡単に予想できます。

 

今の金余りの状況で、投機家たちがどう動くか...それ次第。

個人的には、十数年前と同じように過剰供給、バブル崩壊は十分に起こりうるとみてます。

 

そう考えると、今の好業績がいつまでも続く可能性は高いとは言えません。

 

で、結局株を買うの?買わないの?

ギャンブル性が高いですが、短期的には買うのもありかもしれません。

 

国際航海できる大型船は、建造契約しても船が出来上がるまでに一年以上かかります。

 

そして、コロナによる船舶稼働率の縮小も、あと半年ぐらいは少なくとも続くでしょう。

 

需要もそこまで急に減らないでしょうし、よって運賃は、引き続き高止まりする可能性が高いです。

 

しかし…この運賃の高さに我慢できず、投機筋の外国ファンドが大量の新造船舶の発注をしだしたら…

最終的に船舶の供給過多となり、十数年前と同じような、海運バブル崩壊がまた起こるかもしれません。

 

やるなら、今年中に手仕舞いした方が無難でしょうね。

 

因みに私は、今のところ手を出すつもりはありません。

いつバブル崩壊するか読めませんので…

 

終わりに

冷静に考えれば、上にあげたいくつものポイントを考慮すれば、海運会社の業績が上がる事はある程度推測できましたね。

 

去年、株を仕込んでいた人は今頃ウハウハでしょう。

 

ただ、予測はできても、海運株はリーマンショックからの海運バブル崩壊で、もう10年以上低迷していましたからねぇ…

 

なかなか、仕込むのには抵抗があったと思います。

 

予測し、検討して、最後は自分を信じて株を購入する。 

それができる人が、投資の世界で成功できる、センスのある人なのでしょうね。

 

センスのない凡人は、今日も淡々とVYMでも定期購入しておこうと思います…

 

あ、最後に。投資は自己責任でお願いします。

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