少し前に、黒田精工というマイナー企業の紹介をしました。
表題にもある通り、この会社、いわゆる仕手株になっているっぽいんですよね。
この株がいかに仕手株として弄ばれているかは、以下の一年チャートを見ればわかるでしょう。
11月に何が起きた?というぐらいの暴騰を見せています。
それまで八百円台だった株価が、一か月で二千五百円ほどと三倍近く跳ね上がりました。
そして、その後千五百円台まで急落し、今はまた少し上がり千八百円台で落ち着いてきています。
この株、長期チャートを見ても何回か急な暴騰と暴落を繰り返しているんですよね。
以下は五年チャートになります。
2016年末にも、いきなり暴騰していることがわかります。
こんな暴騰の仕方、普通に考えてあり得ないでしょう。
...どう考えても機関投資家がふざけ半分に株価を操作しているとしか思えません。
きたない、さすが汚い機関投資家。
こんな感じで、何年かに一回暴騰するこの会社、実際に投資する価値があるのか?そもそもいったい何をやっているのか調べてみました。
まず最初にGoogle検索すると、パワハラという予想ワードが出てくる幸先のいいスタート。
大丈夫かこの会社…と思いつつも、行っている事業は大きく以下の三つのようです。
駆動システム 売上高 6,937百万円
精密研削ボールねじ、転造ボールねじ、ボールねじアクチュエータ、XYステージ、ガイド、ギア等。
どうやらネジを作っているようです。ネジ?でそんなに売上高積み上げれるもんなの?
金型システム 売上高 3,551百万円
積層精密プレス型、モータコア型、精密金属プレス製品。
モーターを作るための金型?
この分野が、電気自動車用のモーター製造に役立つ?ようで今回暴騰した模様。
機工・計測システム 売上高 4,613百万円
保持工具、ゲージ、平面研削盤、超精密鏡面研磨装置、超精密表面形状測定装置、電子機器、コンプレッサー等。
工作用機械を作っているようです。機械を作るための機械、といえばいいんですかね。
...うむ、調べて見ても結局何を作っているのかいまいちよくわかりませんね。
次に、過去数年間の決算短信は以下の通り。
売上高は百億規模の中手企業ですね。
順調に売り上げ・利益ともに伸びていましたが、コロナのせいで一気に減収減益。しかし、一応黒字は確保できているようです。
最後に各数値を見てみましょう。
PER 77.73倍
PBR 1.17倍
ROE 1.51%
ROA 0.68%
配当金 10円
配当利回り 0.55%
うむ、話になりませんな。PER77倍って...IT企業じゃあるまいし。完全に株高状態ですね。
ROE、ROAも共に低く、稼ぐ力は正直あまりないと言っていいレベル。
株高で稼ぐ力もないということは、当然配当金も少なく、利回りは1%以下。
グロース株じゃあるまいし、利回り1%以下が許されるのはアマゾンぐらいですよ?
というか、この会社結構赤字を出しているんですよね...
過去10年間の売り上げなどのグラフが以下となります。
こうしてみると、黒字の年度も、そこまで稼いでいないですね...
結論を申し上げると、投資する価値が見いだせない株、ということになります。
うーん、電気自動車関連ということで、今後の伸びに期待する、というのもありと言っちゃありなんでしょうが、少なくとも私はちょっと手を出すのは控えたいところ。
まぁまた株が下がってきて年初来の安値である500円台になったら買ってみてはいかがですか?
またいつか暴騰する日が来るかもしれませんので。
それがいつになるかはわかりませんが。
投資は自己責任でお願いします。