prrrr...prrrr...
「お休みのところ申し訳ございません。ただ、現在御社のサービスでトラブルが発生しており、緊急の対応をお願いしたく。」
「至急折り返しのお電話をお待ちしております」
休日に、こんな留守電を聞いた時の絶望感...
あればかりは、何年経っても慣れないもの...
休みの日に電話がかかってくると、それまで楽しく過ごしていたのに、一転憂鬱な気分になりますよね..
本当にお疲れ様です。
ここでは、
・休日に電話を取らなくてはいけないのか?
・かかってきた時はどう対応すればよいのか?
・休日に電話に出なくて済むためにはどうすれば良いのか?
営業歴15年以上の私が、お話ししたいと思います。
休日の電話について出なければならないのか?
法律上はどうなのか?
そもそも休日の定義ですが、「労働義務のない日」のことです。
顧客対応も、基本的に「労働」に該当します。
そのため休日に会社支給の携帯電話が鳴ったからといって、本来であれば法的には対応する「義務」は発生しません。
何故ならば、「休日」は「労働義務」がありませんからね。
では「労働」の定義はというと、法律上明記されていませんが、過去の判例から「労働者が会社の指揮命令下に置かれている時間」と定義されています。
つまり労働かどうかを判断するのは、「会社の指揮命令下」にいるかどうか、という点が重要。
休日に顧客からの電話がかかってきた時にどのように対応すべきか、会社からの指示があるかどうかで変わってくる、ということになります。
それを踏まえ、では、実際会社からの指示はどうなのか?というと、大きく分けて以下の二パターンがあると思います。
ブラック企業の場合
休日に電話がかかってきたらどうすれば良いかって?
別に出てもいいけど、その分のお金は出さないよ?
だって、電話に出ろと言う業務命令は出していないもの。
そもそも何で休日の電話にわざわざ出るの?ほっとけば良いじゃん。
...とあるブラック企業の人事の見解は大体こんな感じ。
恐ろしいことに、本当にこんな認識の人事もいるのが、日本の恐ろしいところ。
もはや、空いた口が塞がらないとはこのこと…
そもそも、休日に顧客から電話がかかって来る=緊急事態が起きていると、なぜ分からないのか?
顧客だって暇じゃないんだから、どうでも良い内容なら休みの日にわざわざ電話してきません。
休みの日に電話してくると言うことは、即ち緊急案件以外ほぼありえない。
それすらも想像できない会社であれば、そんな会社に尽くす必要はなし。
さっさと転職活動をしましょう。
一般的な会社の場合
問題は、会社がもう少し現実的な対応をしてくるケース。
つまり、休日中の電話応対などを行った場合に、多少の手当てが払われ、かつ、会社側の姿勢として「申し訳ないが、可能であれば対応してくれますか」というトーンの場合です。
この場合は、法律的にかなりグレーゾーン。
・無給ではなく、手当が出ている点。
・電話に出るかどうかはあくまで自分に委ねている点。
から、手当の額にもよりますが、労働法上、一発レッドカードとは必ずしも言えないかもしれません。
とはいえ、自分に委ねられているとはいえ、
「お休みのところ申し訳ございません。ただ、現在御社のサービスでトラブルが発生しており、緊急の対応をお願いしたく。」
なんて顧客から言われたら、電話をしない、という選択肢を取ることが現実難しいのが実際のところ。
もし折り返さなかった場合、社内、顧客の信頼が失われ、今後仕事をやっていくにあたりやりづらくなります。
よって、残念ながら、貴方が今の職場で長く働き続けたいと思うなら、顧客からの休日の電話に全く出ない、という選択肢は取ることは難しいでしょう…
休日にかかってきた時はどう対応すればよいのか?
必ずしも一回目のコールに出なくても良い
貴方が勤労意欲に燃え、会社への忠誠心がマックスであれば、ワンコールでとってもいいですが...
恐らく、そんな人はこんなブログを見ていないと思いますので、あくまで一般的なケースでお話しします。
基本的には、外出中や何か用事をしている最中は、無理に一回目の電話には出なくても良いです。
普通に、平日の仕事中だって外出中や会議中であれば、電話に出れませんよね?
それと同じで、貴方が電話に出れない状況であれば、出れなくとも仕方ありません。
家に一日中いて暇で暇でしょうがないよ、という人は出てもいいですけどね。
なお、数分おきに何回も電話が鳴る時は超緊急なので、できるだけ急いで出るようにしましょう。
メールやショートメッセージを確認
基本的に、緊急の案件であれば顧客は貴方に電話すると同時に、その内容をメールで送ってきます。
なので、まずはメールが来ていないか確認しましょう。
その内容から、休日中に解決させなければならないレベルなのか?
それとも、休み明けまで引き延ばせそうな内容なのかを判断。
電話を受けた日が土曜であれば厳しいですが、日曜日であれば引き延ばしできるケースもあります。
その場合は、メールで電話に出れなかったことを謝罪するとともに、急ぎ対応します、と返信しておけば、何とかなるケースが多いです。
因みに、土曜日だったり、連休の初日だったら...残念ながらこの手は使えません。
用事がすんだら、大きく息を吸って、折り返しの電話をしましょう。
本当に出たくないときは
とはいえ、出たくないときもあります。人間だもの。
そういう時は、もう何回電話が鳴っても無視しちゃいましょう。
緊急案件であれば、顧客は、貴方が電話に出なかった場合、次は貴方の上司に電話し対応するよう依頼します。
もし、その後、貴方の上司から電話がかかっても、電話に出る義務はありません。
何故なら、休日中に電話に出るかどうかは(あくまで一般的な企業であれば)、「貴方に委ねられている」のですから。
当然、休み明けは上司から嫌味ったらしく「君が電話に出ないから、代わりにやっておいてあげたよ。」とか顧客からは「なんで電話に出なかったんですか?」と言われると思いますが。
「あーすみません。土日は気分が悪く、ずっと寝込んでました」とでも言えば、OK。
嘘と分かっていても、そう言われて更に詰めてくる人間はそこまでいません。
(偶にいるのが恐ろしいところですが)
ただ、あまり頻繁に使うと、本当に会社に居づらくなるので、諸刃の剣であることは覚えておきましょう。
あくまで、偶にであればOK。
休日に電話に出なくて済むためにはどうすれば良いのか?
入った会社 or 職種、間違えましたね。
現実的に、緊急の連絡がかかってきやすい職種と、殆どかかってこない職種というのは明確に分けられています。
顧客との距離が近い職種ほど電話がかかってきますし、顧客との距離が遠い職種ほど電話はかかってきません。
もし貴方が営業なんて職種に配属されているなら、顧客との距離が一番近いので、どう足掻こうが絶対!必ず!休日に電話がかかってきます。
一方で、事務方であれば、休日は電話がかかってこない傾向にあります。
ただし、上記は会社によっても変わってきます。
零細のブラック会社であればあるほど、労働法?何それ?おいしいの?状態。
大企業のホワイト会社であればあるほど、コンプライアンスがきちんとしており、休日の電話対応の頻度が低くなります。
よって、貴方が目指すべきは、「大企業のホワイト会社で、かつ、できるだけ顧客との距離が遠い職種」に就職することになります。
一刻も早く転職活動をしましょう
とはいえ、学生時代にそこまで見越して就職活動をすることは困難。
既に、うっかりブラック企業 or 顧客との距離が遠い職種に配属されてしまっていることでしょう。
そうなったら、一刻も早く転職活動をすべきですね。
一般的に、未経験職種や業界へ転職しやすいのは20代まで。
30代以降は、実務経験やマネジメントのスキルが求められるようになります。
休日に電話に出ない働き方がしたいのであれば、先延ばしにすればするほどチャンスは減っていきます。
とはいえ、転職先も休日に電話がかかってくるような職場だったら本末転倒。
ホワイトを売りにしていても、実際はブラックであることなど、日常茶飯事なのが日本の会社。
そんな時は、転職エージェントに登録して相談しましょ。
転職エージェントは、アドバイザーが相談内容をもとに求人を提案し、面接の対策や日程調整といったサポートをしてくれます。
しかも、登録や利用は基本無料。
相談した結果、今よりましな企業がなければ、転職しなければOKなだけ。
休日に電話がかかってくる今の現状を変えたいのであれば、相談してみる価値は間違いなくあります。
終わりに
そもそも休日なのですから、電話に出る義務は無し。
あくまで、社内や顧客との関係性を考慮して、電話に出ざるを得ない状況に追い込まれていますが、本来は義務ではありません。
きっと貴方は、責任感が強いのだと思います。
その人の好さに付け込んで、会社は申し訳なさそうに、しかし、巧妙に休日労働をさせてきます。
休日に電話を取らないといけないのか...?と悩むことはもうやめましょう。
もし病むほどに仕事が辛いならば、そこから逃げることに、何ら恥じることはありません。
その休日の仕事は、誰かがやらなくてはならないのかもしれませんが、貴方がやらなくてはならないわけでは無いのです。
多少給料が下がってもいいじゃないですか。
せめて休日は、ゆっくりできる仕事を探しましょうよ。