皆さん、お忘れかも知れませんが…
私、恥ずかしながら、FIRE教という新興宗教の教祖を自称しているんですよ。
ブラック企業に勤務し、疲弊している労働者達を救うことを使命とし、日々啓蒙活動に勤しんでいるのですが。
どうもいまいち広まっていないようなんです。
というか、信者ゼロです。
信者がいない教祖なぞ、ただの妄言家では?
そんな幻聴が聞こえて来る日々に、段々と息苦しくなる毎日。
そこで今日は、どうしたらもっと信者を獲得出来るのか?考えてみました。
教義がおかしい?
教義的には至極真っ当だと思っています。
我がFIRE教の最重要教義は、過労死撲滅。
その為には、まずは休日に仕事をさせるのを辞めさせることから始まり。
次に平日も残業はできるだけ無くして、労働時間を減らし。
理想は、全国民が週3ぐらいの労働で暮らしていける社会を創るのが目標です。
何らおかしいことを言っておらず、大多数の人が同意してくれる内容。
むしろ、宗教家というよりは、労働監督官みたいなこと言ってるな…と思うぐらいです。
つまり、教義がおかしい、と言う点ではないと思います。
何故洗礼を受けないのか?
では、何故我が教団に誰も入信してくれないのか?
それは…実はみんなそんなに働いていないのでは…?
もしかして…土日祝日に緊急出勤する労働者は、ごく少数派、なのでしょうか?
世間一般の人は、別に土日は普通に休めているから、そこまで救いを求めていない…?
そして、そんな激務で働いている人は、忙しくてこんな場末のブログなど読む暇がない…?
需要がなければ、信者は増えない。
考えてみれば当たり前のことでした。
不幸に…もっと不幸になるのだ…
つまり、我がFIRE教を広める為に何が必要かというと。
ブラック企業がもっと栄えて、過重労働に喘ぐ人が増えなければならない、と言う事になります。
不幸にならなければ、人は神に縋らない。
苦しまなければ、助けを求めないのが人の性なのであれば…
過労死寸前の人間を、もっと増やさなければ信者は増えないということ…
人を助ける為には、人を困らせなければならない。
なんという悲劇…これが開祖として逃れられないカルマというのか…
うごごご
ブラック企業を撲滅する為には、自分がブラック企業にならなければならない。
深淵を覗く者は、深淵もまたこちらを覗いている。
びっくりするほどマッチポンプ。
人を救う為の宗教が、人を苦しめる元凶になるとは。
しかし、そうしなければ信者が増えない、というのであれば。
誰かがやらねばならないのだというのならば…
私が世界一のブラック企業となろうではないか…
そして、全てのブラック企業、全てのサービス残業、全ての過労死を消し。
そして最後に私も消えよう…
永遠に!
終わりに
カルトや!
政府に異端認定されるのもそう遠くないかも知れません。
しかしそうなったとしても、宗教家として本望…
仏陀を始めとした偉大なる先駆者たちも、最初は迫害されたものです。
いつの世も、古い価値観の人間達は革新的な思想を認めたがらないもの。
もしカルト認定された時は、潔く殉教者として聖戦に挑むまでです…
私が倒れたとしても、第二、第三の教祖が必ず立ち上がるはず。
信者たちよ!今こそ立ち上がれ!
神のために命を捧げる名誉を与えてやるぞ!
光栄に思え!そして神に感謝しながら逝くのだ!
蛇足
やっぱりこういう気狂いネタを描く時が一番楽しい。
実際、カルト宗教ってこんな感じなんですかね?怖いわー。