イニシエーションとは通過儀礼という意味らしいです。
なので通過儀礼の恋愛。
…あんまり良い意味じゃ無いですよね。
その名の通り、この小説の恋愛は上手くいきません。
この人以上の人はいない、と思っていたのに月日が経てば思いも消えてゆき、別の人を好きになってしまう。
と、そこまではありきたりなストーリーなのですが、勿論お勧めするだけあってこの小説はそれだけじゃありません。
この作品は、前半部分と後半部分に分かれており、途中でガラッとイメージが変わります。
前半は、女性慣れしていない男が、初めての彼女に夢中になっている様が描かれており。
後半は、その彼女に飽きて、違う女に夢中になり、乗り換えるというクズな展開となります。
ただ、そこで終わればただのよくある恋愛小説なのですが…
最後の一文で、全てが反転します。
最初は、誤植かな?と思ったのですが、意味が分かった瞬間はすごいと思ってしまいました。
そこからもう一度読み直してみると、女性側の印象もまるで変わってくるのが本作の面白いところ。
ネタバレしては面白くないのでこれ以上は言いませんが、オチをまだ知らない方は、是非とも読んでみることをお勧めします。